自殺したあの子

自殺した友人がいる。
再び傷があらわにならないよう、詳しくは書かない。


報せを受けて、斎場に駆けつけた。
棺があったが、中を覗く気にはなれなかった。
ただ、受けた報せがホントウなのだと気付いた。
一緒に行った友人は泣き崩れた。
私は泣いたと思うが、記憶はあやふやだ。
それくらいショックが大きかった。
だから、あまり鮮明に覚えていない。
ただ、
ああ、あのとき、もっとこうすれば
という後悔が押し寄せて押し寄せて
拭い去るのにかなりの年月がかかった。
周囲の友人たちも、みんな後悔していた。
最後に死ぬって聞いたとき
本気にせず、みな相手にしなかったらしい。



かわいい人だった。
とても慕ってくれていた。
今でも顔や声がはっきり思い出せる。
今はどうしているんだろう。
安らかだったら嬉しいんだけど。


自殺は
周囲に及ぼす影響が強い。
傷は深い。
自殺した本人がきっと辛かったのだろう、けど、
残った人も辛い。


書き出す前はもっと書くつもりだったけど
これくらい書くのがせいいっぱい。
人の死は神聖なるものだから。
と、友人が言ったからだと思う。
彼もまた何人か見送ったからだろうその発言は
とても重く私の心に残っている。